（ダテサナ主題の佐幸/３Ｐ） 「なんで、なんで竜の旦那なのさ」 「ぁ、佐助……やめっ、何を考えているッ」 嫉妬をした忍が、愛しいものの所へかけてゆく主を、馬上で乱す。 「誰にも、渡したくなかったんだ…………ずっと、俺が一番近い場所に居るんだって————————それなのに……なんで、よりによって」 「————佐助」 当惑と労わりを滲ませた音で名を呼ぶ幸村を強く抱きしめ、心中を搾り出すように呻く。しばらくの間そうしていたが、何かを大きなため息と共に吐き出した佐助は手綱を握り締め、馬の首を道に戻るように向けた。 「このまま、繋がったまま会いに行こうか。向うも旦那が来るって思っているだろうし、ね」 「——佐助……何を、言って————んっ」 ———そして——— 「はんぁああ——ぁ、や、ぁあ…………んっ」 「嫌じゃなくて、もっと、の間違いだろう」 「旦那、素直に言ってごらん。もっと具体的に、どこをどうされたいか……ね」 60P・新書サイズ・23年02月発行